理事長所信

■はじめに

「ターゲット フルスピード トゥーマンス!」

これはテレビドラマ『世界一難しい恋』の鮫島零治社長(大野智)の座右の銘であります。直訳すると、目標に狙いを定めて全力を尽くし、全速力で2か月以内に、結果を出し達成する。私はこの言葉を聞いたとき、とても刺激を受けました。一見簡単そうな言葉ですが、普段の日常生活や仕事、そして青年会議所活動において、達成できているかと問いただすと私はできていないことも多々あります。しかしこの言葉を聞いたときから私はこの言葉を好きになり、日頃から常に心がけるようになりました。目標は大きいもの小さいもの人それぞれありますが、その目標に向かって全力を尽くし全速力で結果を出す。目標達成までの期限はその目標によって自分で定めればいいと思いますが、それが2か月でも1年でも10年かかっても自分で定めた目標と期限に向かい、あきらめることなくフルスピードで達成する。素晴らしいことだと思います。

公益社団法人日本青年会議所は、第二次世界大戦後、混乱を乗り越え、戦後の日本に明るい豊かな社会を自らの手で築き上げようと立ち上った青年たちにより、65年前の1951年に誕生しました。その後、その運動は日本各地へと広まり、29年後の1980年7月25日、同じ想いを持った青年により国内で665番目となる会員会議所として、現在の一般社団法人笛吹青年会議所(当時 東八青年会議所)が設立されました。現在に至るまでの37年間、明るい豊かな社会の実現を目指し、三信条である「奉仕 修練 友情」のもと、その時々の時代のニーズに応えるべく変化しながら、地域の未来の為に数多くの活動を行い現在に至っております。

長引く景気の低迷により、少子高齢化や財政問題、更には国民の政治離れやアベノミクスによる景気回復の実感がわかないなど多くの問題を抱えている今、私たちが住まう地域においては、未だに景気の回復の兆しは見えておらず、混迷している状況であります。しかし、私たち笛吹青年会議所は明るい豊かな社会の実現に向け、経済のIT化やグローバル化など、あらゆる面で急激に変化していく社会やまちに対してしっかりと現状を把握し、未来を見据え、「責任」と「行動力」を持って笛吹市の明るい未来の為に、実りある活動を行って参りたいと考えております。

■継続と地域の魅力の確立

私たちが活動するまち笛吹市は、国内最大規模の温泉郷と果樹地帯を有し、豊かな自然に恵まれた観光資源の宝庫であります。しかしながら笛吹市の地域イメージとして、市民や観光客に伝わっているかといえば必ずしも伝えきれているとはいえません。地域の観光資源は市民や関係組織において価値のあるものとして共有され地域外へ発信し、観光客に認識されることにより観光資源としての価値をもちます。またそれが定着することにより地域全体でイメージが形成され地域の魅力として確立されていくものです。
私たち、笛吹青年会義所では2014年に「目指せ!地域コミュニティの活性化」という中長期におけるミッションを策定しました。これは私たちの活動において、進むべき方向を明確化し、継続性を持ちつつ市民と協働によるまちづくりをおこなう為に、打ち立てた目標です。ミッション策定から4年目となる今年はこれまで継続して行ってきた地域コミュニティを更に活性化させると共に、地域の魅力を発信し続けることが必要であると考えます。また、私たちが直接市民と共に行動することも大切ですが、私たちにしかできないことを実践していくことも大切であります。市民に意識の変化をもたらす活動をすることで一人でも多くの市民が地域全体のイメージを描き、それが定着することにより地域全体としてのイメージが形成され、地域の魅力として確立されていくことがまちの発展へと繋がります。

■青少年育成事業

一昔前の高度経済成長期には、多くの地域で子供があふれており、子供たち自身の社会を構築していました。是非はともかくとして大人の目の届かないところで、子供なりに危険を認識し、社会における自分の関わり方を学び、自身の安全に対する嗅覚を発達させておりました。上の子が下の子の面倒を見る、下の子はそれに対して敬意を持って接し学ぶという事が自然に行われておりました。近年、少子化によって、子供たち自身がそれらを成し遂げるということが、環境的に非常に困難な状況になっております。そして昔から代々受け継がれてきた伝承が途切れつつあります。その結果、現在の子供たちは平均して、コミュニケーションをとることが苦手、自分自身の判断で物事に立ち向かう事が苦手になりつつあります。指示を受けて行動することができる反面、指示がない場合、自分でも何をやっていいのか分からないということが増えております。また何が安全で何が危険であるかといった判断能力が、昔に比べ低下しています。肉体的に危険に対する認識もそうですが、精神的な危険に対する感覚も低下しており、対人関係の構築が苦手な子供が増えているのは事実です。また、少子化や習い事などで忙しい子供が増えた結果、近所で一緒に遊べる子は少なくなり一人で遊ぶ時間が多くなり、それにより長時間のテレビ視聴やテレビゲームには熱中する子供が少なくありません。特に男の子たちは攻撃衝動を満足させ、バーチャルリアリティ(仮想現実)の世界にのめり込む傾向にあります。このようなリセットができる世界では我慢することを覚えず、他人の心の痛みが分かりません。特に、このことによって人格成長を阻害された若者が引き起こす猟奇的事件がマスコミを振るわすことは、最近悲しいことにしばしば耳にするところです。
笛吹青年会議所の青少年育成事業には、わんぱく相撲と笛青塾があります。わんぱく相撲では相撲の礼節、相手を思いやる気持ち、勝敗の体験を学び心身共に鍛えられた人材の育成を行います。笛青塾では、野外における冒険的な活動やチャレンジ、またそれらに目標を設定することで達成感や充実感を味わう事を通じて新しい自分を発見し、潜在していた自らの能力・可能性に気付くと共に自分自身に対する意識や仲間意識を向上させ、人間形成を図ることが現代の青少年育成において大切であると考えます。

■交流と継承

2016年度、年頭の例会、新年互礼会では100パーセント例会を達成しました。しかしその後の事業においては、出席率が下がり思うように会員同士が交流できていないのが現状であります。これは現在だけの問題だけではなく、近年の課題でもあります。37年という月日の流れの中で時代が変わるとともに青年会議所の運動や活動も変化しています。青年会議所の運動や活動は、楽しいこともありますが、時には、厳しさも必要になります。その厳しさの中にも責任感を持ってやり遂げた先には、充実感や達成感がありそして、友情が芽生えます。まずは、自分に与えられた役割を、責任を持ち全力でやり遂げましょう。何事も失敗を恐れず、責任を持ち全力で取り組めば、必ず友情が芽生え、信用が得られます。そして会員同士の団結に繋がり更には、例会出席率の向上に繋がります。
「式典の笛吹」これは笛吹青年会議所が創設から現在に至るまでの間、永きにわたり受け継がれてきた伝統であります。38年目を迎える笛吹青年会議所が現在もこうして存在し、活動できているのは、これまで受け継いだ襷を37年間しっかりと次世代へ繋いでくださった先輩方の多大なる功績と努力のお陰であります。この場を借りて厚く御礼申し上げます。青年会議所は常に変革の意識を持ち活動している団体でありますが、良き伝統は継承し守り続けなければなりません。会員全員が礼儀礼節、規律を重んじる精神を持って挑む、凛然とした会議の実践を目指します。

■主管LOMとしての意識の向上と出向

笛吹青年会議所は、未来を見据え、山梨ブロック大会の主管LOMに任命されるべくLOMの資質向上に日々努めています。しかし、今現在、山梨ブロック大会の経験に富む会員は少なく主管LOMになる為には、山梨ブロック大会がどのような事業であるのか調査し、主管LOMになる為に何が必要なのかを知り、主管を任せられるLOMになることが必要です。その為には積極的に出向し、山梨ブロック協議会と連携を図ることが重要です。
出向はLOMでは得ることのできない経験ができ、また多くの人に出会える貴重な機会です。出向することで笛吹青年会議所を客観的に見ることができ、笛吹青年会議所の素晴らしさを再認識することができるとともに笛吹青年会議所に不足している点、変えていかなければならない点に気付くことができます。また、出向先で出会う様々な人たちから刺激を受け、自らを磨き高める滅多にないチャンスでもあります。会員の皆様には積極的に出向していただくことで、また、出向者を支えることで学んだことを笛吹青年会議所にフィードバックし、笛吹青年会議所の活性化に繋げていきます。

■会員拡大

会員拡大において私たちは、一刻の猶予もありません。2014年7名、2015年には8名の先輩が卒業され、今年は5名の先輩が卒業を予定しています。このまま会員の減少が続けば地域に対して認知度が低下し、私たちの活動が反映されるどころか笛吹青年会議所は消滅し、忘れ去られてしまう可能性もあります。会員拡大は熱意と行動が必要です。更には、会員拡大は一人では行えません。会員全員が、会員減少の現状を把握し危機感をもち、常に会員拡大に対する意識を高め、会員全員で行っていかなければなりません。会員拡大は理屈ではなく強い熱意と行動が全てであります。そして、会員拡大を実践する為には、目標人数と期限を決めリーダーがしっかり舵を取り、常に情報交換を行い、その情報を共有し会員全員で行っていかなければなりません。
強い熱意と責任を持って行動し青年会議所の魅力を伝え、理解して頂ければ必ず会員拡大は成功できると確信しております。

■結びに
 
私はこれまでの青年会議所活動の中で、多くの方に出会い関わり、ご指導いただきました。そして、これまで気付かなかったことや自分に足りない多くのことを学ぶことができました。その感謝の気持ちを常に忘れることなく、諸先輩方が37年間にわたり守り続けてこられた襷をしっかりと受け継いでいきます。
最後に、一般社団法人笛吹青年会議所第38代理事長という大役を与えてくださった皆様に感謝すると共に皆様の期待に応えるべく「責任」と「行動力」を持って活動することをお誓い申し上げ、所信とさせて頂きます。

基本理念
「責任と行動が未来を変える」

一般社団法人笛吹青年会議所
第38代理事長 長田昭太